2026年 園だより1月号 

    正月事始め(しょうがつことはじめ) 


  早いもので、気がつけば年末を迎えています。猛暑の夏も終わってみれば、去年より15日早く10月23日に富士山の初冠雪が観測され、去年より4日早く11月3日に東京地方で木枯らし1号が吹きました。「秋はあったの?」という感じがしますが、冬は着実に近づいてきました。12月は、冬休みまでの3週間の間に、保育発表会、もちつき、クリスマス会、保護者面談、大掃除、終業式と忙しい月です。まさに、僧侶だけでなく先生方も走り回っている「師走(しわす)」です。 

 さて、正月事始め(しょうがつことはじめ)として11日に、おもちつきを行いました。正月事始めは、歳神様(としがみさま)をお迎えするお正月の準備を始める日で、12月13日です。園では少し早く11日におもちつきをやりました。元々日本には稲作信仰があり、お米を大切にしてきました。ですからお米をついて固める餅には神様の力が宿ると考えられていました。そのうち、祝い事や特別な日であるハレの日に餅つきをするようになりました。また、餅つきは一人ではできないので、家族みんなの絆を強めたり、喜びを分かち合ったりという社会的な意義もあったようです。また、日本の伝統文化・行事の中でも、とりわけ大きなものに「お正月」があります。歳神様を迎えるお正月は、神様の力が宿るお餅は大きな意味があるので、お正月の準備をする12月に餅つきが行われます。スーパーなどで売っている「切り餅」もおいしいですが、つきたてのお餅は格別でした。 

 ところで、年末年始は何かとあわただしい感じがします。クリスマス、年賀状、大掃除、買い出し、正月の準備、旅行、除夜の鐘、初詣、などなど。そうした中でも私たち大人は、ある程度先の見通しをもち、段取りをして計画的に動いています。見通しをもつことで、新しい課題や問題に気づき、時には気持ちが重くなったりすることもありますが・・・。一方、子どもたちは、先の見通しをもって計画的に行動している子はほとんどいません。園庭を走り回る子どもたちは、「今を生きる」ことに力一杯取り組み、楽しんでいます。こうして、「今」を力強く生きている子どもたちですが、ちょっと先の見通しをもつことで安心できるのも確かです。そこで、先生方は「今を生きる」子どもたちに、その発達段階に応じて、少しずつ見通しをもてるよう保育を工夫しています。時には、「今を生きる」子どもたちと見通しをもつことの大切さを伝えようとする先生方との間で、静かなせめぎ合いらしき姿がちらほら。子どもたちの「今」に抗うのは、なかなかパワーが必要のようです。 

22日は「冬至」です。日照時間が一番短くなる日です。その後は少しずつ日照時間が長くなっていきます。22日は、かぼちゃを食べ、ゆず湯につかりながら、子どもたちの成長の過程を振り返ろうと思います。そして、冬の寒さにふるえながらも、少しずつ日脚(ひあし)がのびていく感触を味わい、春の訪れを子どもたちと共に待ちたいと思います。