2025.3.26 園だより3月号 (3月26日発刊)

「 若竹のようにしなやかに 」


    寒風に立ち向かうように凛として咲いていた梅の花がおわり、春の陽気の中、桜(ソメイヨシノ)の開花のたよりが聞こえてきました。いよいよ春です。 

    春は、卒園式・卒業式や入園式・入学式など、別れと出会いが交錯する季節です。涙、笑顔、励ましの声などが交わされるのも春ならではの場面です。 

     幼稚園では、15日(土)に卒園式が行われ、卒園児一人ひとりに「修了証書」を手渡しました。また、22日(土)にはセマーユで「ソレイユ式」が行われ、園児一人ひとりに「フルーレット証」を手渡ししました。 

     さて、子どもたちが生きていくこれからの時代は、どのような時代になっていくのでしょうか。今からさかのぼること14年前。2011年8月のニューヨークタイムズ紙のインタビューで、アメリカの大学教授キャシー・デビッドソン氏が「2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」と語りました。ユーチューバーなどはその一つかもしれません。また、これからはますます予測不可能な時代になるとも言われています。そうした社会的状況も踏まえ、学校教育も変化・改善をしてきています。かつてのように「正解」を求める教育ではなく、「最適解」「納得解」を求める教育へシフトしています。そこでは、自身の考えを相手に伝える力や、相手の考えを受け止めそれを自身の考えと融合させ、さらに新しい考えを生み出す力などが求められています。つまり多様なものの見方や考え方などが重視されてきています。多様なものの考え方を示してくれるツール(道具)の一つに生成AIが活用されつつあります。一方、多様なものの見方や考え方を身に付けるためには、「しなやかさ」が大切になってきます。まるで若竹のようなしなやかさです。このしなやかさは、AIからは学べないのではないかと思っています。しなやかさは「ひと」と「ひと」の直接的な関係性や関わりから育まれるのだと思います。特に幼い頃は、自分とは違うお友達に対する見方や思いは、「ひと」との直接的な体験を通して育まれると思います。これからも、セマーユ・幼稚園ともに、遊びや体験を通して自己主張のあり方を育むとともに、直接的な「ひと」との関りを通して、しなやかさを育みたいと思います。 

    「ひとは、ひとの中で、人になる」 この言葉を肝に銘じて、これからも園の運営に力を尽くしていきたいと思います。