2024.12.20 園だより12月号 (12月20日発刊)

「師走(しわす)」

     早いもので、気がつけば年末を迎えています。史上もっとも暑かった秋が終わり、11 月7 日に、
富士山の初冠雪とともに東京地方で「木枯らし1号」が吹きました。また、11 月 20 日 には 11 月中旬としては 40 年ぶりの寒さを記録しました。「おっ!いよいよ冬か」と思いき や、その後は 12 月に
入ってからも暖かい日が続きました。子どもたちも午前中は発表会の練 習、午後は小春日和の中、
園庭で元気いっぱい体を動かしていました。しかし、やはり 12 月 です。保育発表会が終わってから
師走らしい寒さになってきました。昨日は横浜に初雪が観測 されました。ところで、師走の「師」は僧侶のことだと言われます。普段落ち着いている僧侶 も、年末の法要で大忙しで「走」り回る
(「馳す」)ということらしいです。
    さて、師走は保育発表会で始まりました。大勢の参観者を前にして緊張気味の子どもたち
でしたが、ダンス、うた、合奏、どれもがすばらしい発表でした。発表会に向けての練習では、
合奏のリズムがうまくいかない子に、隣の子がそっと「こうやるんだよ」と声をかけたり、両 隣の
子が「せぇーの」と一緒にリズムをカウントしたりと、「みんなでやろう!」という気持 ちが
あふれる練習でした。また、ダンスの練習では順番待ちしている他のグループの子ども達 もフロアで自然と一緒に踊るなど、一体感のある練習風景でした。発表会の練習を通して、子 ども達が「仲間」を意識した場面をかいま見た気がしました。 幼児期は、知識を教えられて身に付けていく時期
ではなく、遊びを中心として頭も心も体も 動かして、主体的に様々な対象と直接かかわりながら、
体験的、総合的に学んでいく時期で す。遊びを通して思考を巡らし、想像力を発揮し自分の体を
使い、また、お友だちと共有した り、協力したりして様々なことを学んでいきます。「幼児期の
終わりまでに育ってほしい 10 の 姿」の中に、「協同性」、「豊かな感性と表現」というのが
あります。保育発表会という行事へ の取組を通して、子ども達は少しずつ「協同性」「豊かな感性と表現」を体験的に学び成長し ているように思います。 
    明日 21 日は「冬至」です。日照時間が一番短くなる日です。その後は少しずつ日照時間が 長くなっていきます。かぼちゃを食べ、ゆず湯につかりながら、子どもたちの成長の過程を振 り返りたいと思います。

 「地域の方の温かい見守り」 

澄みきった青空のある日、セマーユで天神の森公園へお散歩に行きました。川沿いの遊 歩道を
通って、長い階段をのぼったところ。子どもと一緒に歩くと 20 分ほどかかります。 
「どんぐり あるかな」「むし いるかな」と期待に胸をふくらませていました。セマー ユから少し
距離のある公園への道のりも、その期待が軽い足どりにつながったのでしょう。 公園では、落ち葉を踏んでカサコソと音をさせながら歩いて行くのが楽しい子どもたち。 落ち葉の下からドングリを
見つけて拾い集めたり、色とりどりの葉を拾って「あか!」「き いろ!」「みて!みて!」と
保育者に見せたり。自分のみつけた「いいもの」が嬉しくて仕 方のない様子でした。 公園までの
道のりでは、地域の方と行き交います。子どもたちが「バイバイ」と手を振 ると、地域の方も笑顔で応えてくださいます。地域の方に温かく見守られ、応援していた だいていることに感謝の気持ちで
いっぱいです。子どもたちは、たくさんの人たちの声、 まなざし、手を添えてもらうことが豊かな
育ちにつながることを実感する毎日です。