2024.09.30 園だより9月号 (9月30日発行)

 「記録と記憶」

    今、巷では、メジャーリーガーの大谷翔平選手(ロサンゼルス・ドジャース)の記録更新に、注目が集まっています。大谷選手と同郷の私は、花巻東高校時代からの活躍に関心をもってみていました。彼が、花巻東高校生の時に将来の目標と、それを目指すための具体的取組を書いた9マスの思考法、いわゆる「マンダラチャート」は、当時はそれほど注目を集めていなかったような気がします。しかし、その後北海道日本ハムファイターズで活躍するようになると、彼の「マンダラチャート」が注目を集め、人材育成や目標を達成するための具体策を見える化するツールとしていろんなところで活用されるになりました。また、夏のパリオリンピック・パラリンピックでは、体操男子団体の逆転金メダル、陸上やり投げの北口選手の女子フィールド種目史上初の金メダル、総合馬術団体で92年ぶりのメダル獲得など様々な競技で記録が樹立されました。パラリンピックでは、水泳鈴木選手の50m平泳ぎで自己ベストを大きく更新しての金メダル、ボッチャ競技団体の銅メダルなど、新聞、ニュースでは記録が踊っていました。一方、メダル獲得には届かなかったけど、手に汗握る熱い戦いを繰り広げた男女のバレーボール、サッカー、柔道などの選手の悔し涙は記憶に残りました。記憶に残ったのは、テレビに映る選手の姿が目に焼き付いたからだと思います。記録は、一位、秒などのように数字として目に見え、形として残りますが、記憶は目に見える形としては残りません。あくまでも人の頭の中や心の中に残るもののような気がします。そうした目に焼き付けた記憶を「あの時、ああだったね、こうだったね。」といろんな人と言葉にすることで、より記憶が強く心に残るような気がします。 

    今、幼稚園ではどのクラスも運動会の練習に余念がありません。運動会の思い出が、子どもたちの記憶に残るためには、子どもたちのがんばりを子どもたち自身の言葉として聞き取り、がんばっている姿を見取ることが大切だと考え、日々の練習に取り組んでいます。保護者の皆様もぜひ、運動会では子どもたちに大きな声援をおくっていただき、子どもたちのがんばりを動画や写真として「記録」するだけでなく、ぜひ「記憶」として目に焼き付け、ご自宅で子どもたちに声をかけていただければと思います。そして、子どもたちにとって記録ではなく記憶に残るような運動会にしていただければ幸いです。 保育園でも「親子ふれあいファミリーデー」に向けた取り組みがはじまります。お子様の成長を目に焼き付けるとともに、ぜひ体感していただく機会になればと思います。